なぜ売上げが伸びないのか?-③特徴のない商品やサービスを売ろうとしている

どの会社でも取り扱っている商品というのは、消費者からすれば選択肢のひとつでしかありません。技術的にも品質的にも他社と変わらないのであれば、顧客が判断する材料と言うのは価格だけとなってきます。これは商品だけでなく、サービスでも同じことです。勝負が価格だけとなってしまった場合、売るためには競合他社より1円でも安くすることだけが重要となります。営業に求められるのも売るための知恵を出すことではなく、訪問件数を増やし根性で仕事を取って来るだけになります。こうしたやり方では今後売上げを安定して伸ばすのは難しくなるでしょう。

昨今のグローバル化の流れからすればコスト競争は非常に厳しく、無策で中小企業が太刀打ちするには無理があります。下手をすれば資金繰りが悪化してしまい、倒産となる可能性もあります。高品質をアピールする企業もありますが、今では新興国の品質レベルも相当改善されて来ています。また高品質を維持するにはコストもかかりますが、一方で価格は下がって来ますので中小企業の体力では遅かれ早かれ持たなくなってしまいます。業界トップのコスト競争力を武器にコストリーダーシップ戦略を取る大企業もいますが、企業体力の面でも取り扱い数量の面でも、また人的資源の面でも中小企業が参考にするべき対象ではありません。

中小企業ではコスト低減と言いながらも、実際には利益を削って販売価格を下げている会社が多いのではないでしょうか?営業力を強化せず、他社との差別化をしないまま活動をしていても、いずれはコスト優位である新興国に仕事を全て持って行かれることになり兼ねません。そうなって会社が傾いてしまう前に、他社との違いを分かり易くアピールすること、そして“他社より良いかも知れない”から“試してみよう”と顧客に印象付けて少量でも取引きをして貰うこと、最終的には“この会社しかない、他社では駄目だ”というポジションを早く築くことが重要だと考えています。その切り口を見つけ、ポジションを確立することが営業に求められることなのです。

よくある営業対応は顧客を訪問して、一般的な製品紹介をしたり、技術や品質対応のアピールをしたりすることではないかと思います。しかし大抵の場合では殆ど他社との違いがなく、特に目新しいということは少ないように感じます。こうなると顧客は相見積もりを取ってみて価格が安ければ検討してくれますが、変更の手間などを考えれば相当低価格でなければ見向きもしてくれません。どんな営業でも際限なく価格を引き下げることが出来れば100%受注可能ですが、これでは会社として必要な利益を得る事が出来ません。そこで必要となるのが営業力を強化して、他社との差別化を図り、自社のポジションを優位にすることなのです。

他社と差別化出来る要素が皆無というケースは殆どありません。もし何もない会社であれば早い段階で淘汰されているからです。同じ会社で同じ従業員まま、切り口を変えて一生懸命努力をしたら大きく会社が変わったという例は多数あります。特徴のない商品やサービスを特徴のないまま売るのでは、十分な利益が得られません。どうやれば新しい切り口を見つけられるのか?それは実務経験があり、実績を残している営業コンサルティングが得意としているところなのです。