なぜ売上げが伸びないのか?-④顧客の要望や市場を把握していない

顧客が常に何が必要か把握しているとは限りません。営業の提案により、彼らが今まで気付かなかったニーズを発見することは多々あります。しかし本当に不要なものに対しては、どんなに安くとも購入することはあり得ません。一方的に自社の技術や製品をアピールするだけで、何が顧客にとってメリットなのか分からないままでは押し売りと同じになってしまいます。売り込まれる側になれば分かることですが、自分勝手な個人の思い込みだけの売込みを聞かされる程、苦痛な時間はないものです。自社の製品やサービスへの想い入れは大変大事なのですが、顧客にとってどんな利点があるかが営業の出発点だと考えています。

次に顧客に提供するメリットを考えて営業戦略を練ることになりますが、意外と多いのが基本的な調査が全くされていない場合です。競合相手も多数いる今の世の中で、今まで誰も考え付かない商品や技術というのは中々存在しないのではないでしょうか?そのため、似たような製品、技術、サービスは必ず存在すると考えておいた方が良さそうです。現在は幾らでも情報が入手出来ます。100%完全な調査は不要ですが、基本的な事前調査は必須だと思います。それにも関わらず事前調査をしないまま売込みをしてしまうと、プレゼンテーションの直後や途中で競合相手がいることが判明したり、時には競合の方がもっと安い価格だったり、更に良いサービスを展開していることが分かることがあります。プレゼンテーションの場で客先から指摘される失態は避けるべき。これでは売込みにならないどころか、会社としての信用も失ってしまいます。顧客のニーズは何か、自社で提供出来る技術やサービスは何か、競合はいるのかどうか、競合がいるとしたら自社が提供出来る技術やサービスとの差別化をどうするか。マーケティング的な視点で考えることが重要なのですが、意外と単なる思い付きだけでアイデアを売り込んで来る方々も多く見受けられます。“彼を知り己を知れば百戦危うからず”ではないですが、自社だけでなく他社の動向も調べておきたいものです。