なぜ売上げが伸びないのか?-⑧言い訳が多い・出来ない理由を並べる

高度経済成長期であれば作れば売れる時代でしたが、現在はそのような古き良き時代でなくなって来ています。顧客が欲しいものであれば高額でも売れますが、不要なものなら安くても売れない時代となりました。そうした環境の中、商品の良さを理解出来ない消費者が増えたから、政府からの支援が足りないから等々、売る努力をする前に売れない言い訳や売れない理由を探してはいないでしょうか?

実は自分自身が以前はそういった傾向がありました。売れた時は自分の実力だと考えるのですが、売れない時は会社の方針が悪いからだと考えたり、十分な支援がないから売れないのだと考えていたのです。しかし良く考えてみれば分かることですが、どんな経済状況でも100%ものやサービスが売れないということはなく、どんな環境下でも成果を出している会社はあります。また需要が逼迫していて何もしなくても物が売れるのであれば、営業戦略などなくても売れて行きます。もう努力をしなくても物が飛んで売れて行く時代ではないことを考えれば、売れない言い訳を考えたり、出来ない理由を探す無駄を止め、どうやったら状況が改善するのかを考えるべきであり、売れないのは自分の責任なのだと考えを改めるべきなのです。そう意識を変えるようになってから、私自身も状況が良くなって行った経験があります。

コンサルタントになってからも様々な理由を聞く事がありました。幾つかの例ですが、

自社で方針を検討して、再チャレンジしても上手く行かないならお願いしたい

  • 自社だけでは上手く行かないから困っているのでは?

新しい事をやる人員が足りないので、一段落してから考えたい

  • 今やらなければ、将来も一段落することはないので永遠に出来ないのでは?

このような話を聞いて来ました。伸びる会社の特徴のひとつに、先ずはやってみるという社風があるように感じます。やってみて駄目なら他の方法を考える柔軟性があるのですが、伸びない会社は新しいことにチャレンジしないための言い訳を常に考えている印象があります。

こうなってしまうとビジネスは成長しなくなりますので、売上げは良くても横ばい、普通だと毎年下降線となるでしょう。現状のビジネスを確保するため、勝負出来るのは価格を下げることだけとなるので、利益が毎年減少して行きます。その穴埋めをしようとすれば、将来への投資凍結、経費削減、正社員・従業員の削減、そして給与カット等々、会社の将来性がなくなってしまう施策ばかりとなり、優秀な人から辞めてしまう悪循環に陥ります。その悪循環が進み過ぎてしまうと、本当に新しいことに手を付けられなくなってしまい窮地に陥ることになってしまうのですが、そうした会社が意外に多いように思います。

新しいことにチャレンジするのは大変な労力が必要ですし、その結果の大半は失敗になることが多いです。それでもチャレンジし続けなければ将来は見えて来ません。資金力のない中小企業こそ、売れない言い訳をしたり出来ない理由を探すのではなく、将来に向けた営業戦略を立てて頑張って欲しいところです。