ドリームサポート設立の背景

私が初めて社長になったのは、本当に偶然の出来事からでした。当時の社長が突然の退任。他の候補者がいない中で、社長になる心構えも十分にないまま、気が付いたら社長になっていたというのが正直な所です。

社長になって順風満帆だったわけではありません。社長になった時には、すでに前社長と組合の間で裁判争議中だったため、社長就任の1週間後にストライキが発生。その数か月後に2011年東日本大震災がありました。生産も止まり売上げが上がらないという環境で、新米社長にとっては夜も眠れない日々が続きました。社長に就任して2年間くらいは、驚くような問題が3ヶ月に1度くらい起こります。その時は正直言って、こんな苦労は社長を引き受けなければしなくて済んだのにと考えたのは2度や3度ではありません。

それでも5年間社長を続け、売上げも順調に伸び、利益も以前と比較すれば大きく伸ばす事が出来ました。そのおかげで労働環境が大幅に改善する事が出来ましたが、それ以上に大きな変化だったのは、増加した利益を新規開発予算に向けられるようになり、新製品が出せるようになった事です。20年以上も開発らしき事をやっていなかった会社でも、その気になれば変わる事は出来るのが実感出来た経験でした。また予算が増えたことで、お客様への提案も変わって来ます。今までなら出来ないと諦めていた売り込みも、お客様へのメリットを考えて色々と提案出来るようになって来ます。今までの値下げ一辺倒だったアプローチが変わって来たのも、この5年間で起こった大きな変化でした。

もちろん、増収増益、新規開発、そして会社を上昇気流に乗せるのは、私一人だけで出来る訳ではありません。新米社長の無理難題にも、どうやれば達成出来るか一緒に考えてくれた部門トップ、またそれを真摯に考えて色々な試行錯誤をしてくれた従業員の方々の力があっての事です。また自社だけでは技術的にも難しい事も、それを支えてくれた取引先企業の方々のお力添えがなければ、新規開発も新規提案も出来なかったでしょう。今まで沢山の支援を頂いた方々には、本当に感謝しています。

今のグローバル化の流れで、販売減少・利益減少に悩んでいる中小企業は多く存在します。今までは私が多くの人達に支えられて来ました。今度は恩返しするためにも、経営に悩んでいる中小企業を応援し、日本のものづくりを守り、会社を良くしたいという夢を一緒に実現したいという想いで、ドリームサポートを立ち上げました。コンサルタントが良く使う経営理論や目標管理だけに頼るのではなく、現場の声を大事にして一緒に会社を育てながら、ワクワクするような事が出来ればと考えています。微力ながら今までの経験を活かし、皆さまのお役に立つことが出来れば、これに勝る喜びはありません。

 

ドリームサポート株式会社

代表取締役社長 中村 豊