なぜ売上げが伸びないのか?-②営業計画がない

売上げが思うように伸びない会社には、意外に思う方も多いかも知れませんが営業計画がありません。会社方針や経営計画もなく、場当たり的な活動になっている会社も多くあるようです。計画がある会社でも、計画を作ることが目的化してしまい、作成したらお蔵入りというケースも良く見受けられます。こうした会社では、自分達の出来る事をアピールするだけで、客先から仕事が発注されるのを待つのが主流となっています。事業計画・営業計画がないと何が問題になるでしょうか?

伸びている会社では、何らかの目的を持って計画を作成します。毎年売上げが下がって行くような計画は立てませんので、通常は売上げが増加する計画になります。毎年微増ながらも売上げを増加させるためには、何らかの方策が必要になって来ます。新規顧客の開拓、新規市場への参入、新規製品の開発等々、自分達が出来る最善を尽くして目標を達成するために知恵を絞り、最大限の努力をしようとします。当然簡単に思い通りに物事は進みませんが、上手く行かなければ何が原因なのか振り返り、活動を修正しながら計画達成のために更に努力を続けます。時には下方修正せざるを得ない事態も出て来るでしょうし、思った方向と違うアイデアが実を結ぶこともあるかも知れません。しかし、諦めずに計画に向かって活動を継続して行くことで、会社としての知識や経験は間違いなく増えて来ますので、中長期的には会社全体はプラス方向に向かいます。

一方で計画がない又は計画がないのと同じ会社では、達成すべき目標が存在しません。何も具体的な目標がなければ誰も努力しようとはしません。そのため何時まで経っても会社も個人も実力値が上がらず、社員のモチベーションも低く会社全体の活気がなくなり会社全体が停滞します。新製品もなく長い事同じ製品を作り続けているだけなので、製品も会社も特徴がなく、価格を下げて対抗するのが精一杯となります。気付いた時には手遅れとなり、新しいことに挑戦するだけの体力もなく、価格の安い他の会社に仕事を奪われてしまうケースを多々見て来ました。この状況に陥ってしまうと、売上げを増やすのは非常に困難となってしまうでしょう。

何を売りたいのか?何のために売るのか?どうやって誰に売るのか?価格を幾らに設定して、どの程度の利益を上げる必要があるのか?こうした問いに答えるには、まずは会社がどう社会に貢献するのか、そのために必要となる利益が幾らか、その利益を稼ぎ出すために幾らの売上げが必要かという会社の基本方針が必要です。そこがなければ売れれば何をしても良いという事になってしまいます。今まで数社の会社を見て来ましたが、基本方針が明確になっていて、その方針を達成するために営業計画を作成し、全社員と共有している中小企業は殆どありませんでした。しかし停滞していた企業でも、そこが改善されると時間はかかりますが、大きく再生して行く様子も見て来ました。

皆さんのところでは、会社方針・営業計画が社員と共有されており、その達成に向かって活動されているでしょうか?目標があるからこそ何とか達成しようと知恵を絞ります。知恵を絞って考え、実際に行動に移すから成果が出ます。人間は誰でも目標がなければ、敢えて苦労して努力しようとは思わないのでないでしょうか?